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外力が作用していない物体の内部に生じている応力が残留応力で、「内部応力」とも言います。
塑性加工で成形した製品に関しては、応力腐食割れや時期割れを誘起することがあります。
一般的な対策としては、応力除去焼鈍があります。
応力腐食割れ、置き割れとも言います。
割れが発生した雰囲気が腐食環境下の場合は応力腐食割れ、そうでない場合は時期割れと区別することがあります。
「応力腐食割れ」を参照して下さい。
非磁性のオーステナイト系ステンレスは、冷間加工(絞り加工)によって、マルテンサイトに金属組織が変化し、
磁性を帯びます。
この現象を加工誘起マルテンサイト変態と言います。
平板の円板材から容器状の製品を成形する加工。
プレス機を用いて円板の中央部をパンチをダイに圧入して加工します。
熱処理の一つで、所定の温度に加熱保持した後に徐冷して残留応力やひずみを除去します。
焼鈍には、目的によって完全焼鈍、応力除去焼鈍などいろいろな種類があります。
アニール、焼なましと同じです。
前工程で成形したR形状の部分が、製品表面に円周状の跡(線)として残る現象。
隙間の内部が選択的に腐食される現象で、特にステンレス、アルミに多いです。
材料の合わせ目、溶接部、ごみや付着物の下などで隙間腐食は発生します。
ステンレスとは、Stainless Steelの略称で、さびにくい鋼のことです。
鉄(Fe)にクロム(Cr)を12%以上添加すると、空気中でほとんどさびが発生しなくなります。
素材の表面に鉄とクロムの酸化物が生成され、これが腐食に対する保護被膜として作用します。
ステンレスは12%以上Crを含むFe-Cr系合金が基本となります。
- 体系 -
主成分によって、Cr系とCr-Ni系があります。
Cr系にはマルテンサイト系、フェライト系があり、Cr-Ni系にはオーステナイト系などがあります。
ステンレスは、成分によりJISで規格化されており、材料メーカー独自の規格もあります。
「しわ押え」とも言います。
再絞り加工時にフランジ部を加圧してしわの発生を防止するための型部品です。
塑性は、物体が弾性限を超えた負荷を受けた場合にその形状や大きさが永久に変化する性質のことです。
材料の塑性変形を利用して、金属などの材料を所定の形状・寸法に加工する方法を塑性加工と言います。
圧延、押出し、引抜きは、板、棒、線などの素材の製造に多く用いられています。
鍛造、転造はなどは、塊状物を成形するのに対し、深絞り、曲げ、スピニングなどは板や管の成形に対して
用いられています。
分離加工であるせん断加工は、塑性加工と切削加工を組合せた加工法です。
オーステナイト系ステンレス。ステンレスの中でも最も汎用品である。耐食性、耐熱性に優れる。
家庭用品、建設材料、食品設備、一般化学設備、原子力用に使用されている。主成分は0.08C-18Cr-8Ni。
オーステナイト系ステンレス。ステンレスの中で最も耐熱性に優れる。
耐酸化性に優れ、高温用炉材に使用されている。主成分は0.08C-25Cr-20Ni。
オーステナイト系ステンレス。SUS316の低炭素鋼。SUS316の性質に耐粒界腐食性を持たせたもの。
ステンレスの中で最も耐食性に優れるが軟質で強靭性は有しない。主成分は0.03C-18Cr-12Ni-2.5Mo
マルテンサイト系ステンレス。ステンレス、耐熱鋼の中で最も高硬度である。
ノズル、刃物、弁、ベアリング等に使用されている。主成分は1C-20Cr。
析出硬化系ステンレス。強靭性、耐食性、高硬度を有し、ステンレスの中でもオールラウンド型。
シリコロイ鋼はSUS630を上回る特性を有している。主成分は0.07C-17Cr-4Ni-4Cu-Nb。
加熱の際、金属が酸素と結合して酸化物をつくり、これが表面に積層されたものをスケール(銹)という。
精密鋳造法の一種。
珪砂に熱硬化性高分子材料を加えたものを金型(雄型)の上におき、金型を加熱すると
金型に接した側が硬化して、一種の殻状のものができる。
この殻状のものシェルと称し、これを組み合わせてその中に溶融金属を注入して鋳物をつくる。
鋼材の質量の大小によって熱処理効果の異なる割合をいう。
質量効果が大きいということは鋼材の大きさによって、熱処理効果の違い方が大きいということであり、
大物になるほど焼きの入り方が少なくなるということを意味している。
質量効果が小さいということは小物はもちろん、大物でもよく焼きが入るということである。
衝撃試験の方法で試験片の両端を支えて中央部を折って衝撃値を求める。
シャルピー衝撃試験で試験片を破断するために使われた吸収エネルギーをその破断した部分の面積で割った値を
求める方法で、一般にこの値が小さいのは脆い。
反発硬さで鋼材や非鉄金属など材質に左右されず、広範囲で測定できる。
測定方法は、一定の高さから試験片の面に向けてハンマーを落とし、その跳ね上げ高さの比例値で示す。
材料が動的衝撃に対する抵抗の度合いを測定するもので、ねばり強さ「靭性」、もろさ「脆性」を知ることができる。
特に脆性を知る有効な試験方法である。シャルピー衝撃試験、アイゾット衝撃試験が代表的である。
材料が動的衝撃に対する抵抗の度合いの測定値。
「固溶化熱処理」した合金は、本来ならば低温で析出するはずの合金元素が、急冷により析出する間もなく
むりやりとけ込まされた状態となっており不安定である。
これが時間の経過につれて本来の安定な状態に戻ろうとして、ところどころ析出してくる。
この析出により結晶はすべりにくく硬くなる。これを「時効硬化」といい、「析出硬化」ともいう。
時効硬化には常温時効硬化と人工時効硬化があり、後者を「析出硬化処理」という。
ヤング率(縦弾性係数 E)
物質のねばり強さを技術用語で「靭性」という。
引張試験での「伸び」の大小とは直接関係しないが、衝撃にあっても割れにくい性質である為、
衝撃試験の数値が大きければ、一般にねばり強いといえる。
連続鋳造機の湯のでる所にこのモールドがあり、鋳片の形ができるところで、ブルーム、ビレット、スラブ等と
形状に合わせた銅で水冷式で造られる。
硬質鋳造合金工具材料でコバルト、クロム、タングステンを多く含み、高温でも硬さが落ちない切削工具や
弁の盛金などに賞用されている。
本材は鍛造できないのが欠点で、脆くて衝撃で欠損しやすいが、耐摩耗性と高温硬さが大きく、
熱膨張係数と溶融温度が鋼に近いので盛金用に最適である。
鋳物を造る時の鋳型として砂でつくる型のこと。
砂型にも焼型、セメント鋳型、生砂、油砂、シェル鋳型、フラン樹脂等があり、砂にもSIO2の含有量により、
高温用等の差異がある。
鋼材をある温度(ex.435℃)で熱処理すると伸びがでなくなる所がある様に、伸びや衝撃値が異常に低くなる点を
脆化温度という。しかし、熱処理で復元も可能。
精密な鋳型を適当なものでつくり、精巧な鋳物を作る方法をいい、ロストワックス法、インベンストメント法、
シェルモールド法、マイクロキャスト法、マーカスト法などの総称である。
これらの方法によるときは、鋳造後はほとんど機械加工を必要とせず、薄肉鋳物や複雑な構造の鋳物をつくる
ことができる。
固溶化熱処理(溶体化処理)の後、時効硬化(析出硬化)を人工的に行うことをいい、
ステンレスでは600番代のものが代表例である。この処理により、硬度が上昇する。
温度変化による膨張・収縮を温度が1℃上昇したとき、元の長さに対する単位長さの伸びで示す(μm/℃)
金属表面が海水、薬品、ガス等によって全面的に腐食が進行すること。
腐食形態には全面腐食型、局部腐食型(孔食、粒界腐食、すきま腐食、応力腐食割れ等)があるが、
形態としては全面腐食型の方が安定している為、良好である。