1913年はクロム合金が発明され、鉄鋼生産に大きな革命をもたらした記録すべき年である。
当時、世界の多くの研究者は、鉄とは異なる合金の発明に取り組んでいた。
イギリスのベレアリ-氏はクロムを増すことによって銃弾用の樽に使用されている鉄の改良に努めており、
12% のクロム含有量で鉄は酸腐食に耐えることを発見した。
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ステンレス鋼 (stainless steel) の言葉は、当初新しいメタルから作られた料理用ナイフを説明するために
使用されたものと言われている。現在は、さびにくい鋼のことを指す。漢字で不銹鋼と書くこともある。
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ステンレス鋼の主成分は鉄で、クローム(Cr)を12%以上含んだもので、鉄の持つ容易にさびるという弱点を
防止するように改良され、耐食性・耐久性、意匠性、耐火性・低温特性、加工性などで炭素鋼より優れた特性を備え、
またメンテナンスが容易な合金鋼のことをさします。
さらに強固な酸化膜を形成するために ニッケル(Ni)を含んだステンレスもあります。
さらに炭素(C)の含有量が低いことも重要です。
炭素は酸素と結びつきやすい性質を持つため、いくらクロームの含有量が多くても、炭素分が多いと錆びやすく
なってしまうのです。
ステンレスが錆びに強いと一般的に言われる由来は鉄にクロムを添加するとクロムが酸素と結合して鋼の表面に
作る薄い保護皮膜 (不動態皮膜)がさびの進行を防ぐからだと言われています。
この膜は 100万分の 3mmくらいの薄いものですが、大変強く、たとえこわれても、まわりに酸素があれば
すぐに自動的に再生してさびを防ぎます。
一般的に流し台に使われているステンレスは、18-8ステンレス(sus304)と、18クロム系ステンレスがあります。
18クロム系ステンレス(sus430)はクロムの割合が18%で、使用状況によっては多少サビが発生する場合があります。
18-8ステンレス(sus304)は18%のクロムに加え、8%のニッケルが含まれます。
このためサビには非常に強くできていますが、全くサビないというわけではありません。
ステンレスマホービンは、内部のお湯や冷水の温度を長時間保てるようにつくられた真空二重のステンレスびんです。
(SUS304(18-8)に適合する材料を使用)構造は、ステンレスの内胴の壁(真空面)に銀メッキまたは銅箔を巻き、
内・外胴の壁間の空気をチップ管から抜き取り真空にしてあります。真空二重びんにすることによって熱の「対流」
及び「伝導」を防ぎ、箔まきをすることによって「輻射熱」を遮断しています。
英語でステンレスはStainless Steel(錆がより少ない鋼)であり、決して錆びないわけではありません。
JIS規格のSUSはSteel Use Stainless (スティール・ユーズ・ステンレス)の頭文字です。
ステンレス鋼にはおよそ200種類の鋼種があり、合金元素含有量や金属組織によって機械的性質、耐食性なども
さまざまです。
例)SUS420J2では
・SUS:ステンレス鋼の意味
・420:鋼種の意味
・J2:鋼種の内訳
となります。
ステンレス鋼の意味には、
・SUS:Steel Use Stainless【ステンレス鋼】
・SCS:Steel Casting Stainless 【ステンレス鋳鋼】
・D:被覆アーク溶接棒
・S:サブマージアーク溶接線
・Y:TIGおよびMIG溶接用溶加剤
・YF:フラックス入り
・YB:帯状電極溶接材
・SUH(Steel Use Heat Resisting):耐熱鋼
があります。
3桁の数字が鋼種の意味になり、大まかには以下の4種類に分類できます。
・200番代:Fe-Cr-Mnオーステナイト系ステンレス鋼
・300番代:Fe-Cr-Niオーステナイト系ステンレス鋼
・400番代:Fe-Crフェライト系およびマルテンサイト系ステンレス鋼
・600番代:折出硬化型(ph)ステンレス鋼
また、鋼種の内訳は、
・Se:Se添加鋼
・F:快削鋼
・N1、N2:N添加鋼、タイプ1タイプ2
・L:低C鋼
・J1、J2:日本独自の鋼種2タイプ
・XM:ASTM規格鋼種
・B:棒材(bar)
・HP:熱間圧延鋼板
・CP:冷間圧延鋼板
よってSUS420J2は、Fe-Crマルテンサイト系ステンレス鋼・日本独自鋼種タイプ2となります。
SUS304に代表されるオーステナイト系ステンレス鋼は金属組織が両心立方格子で、延性に富み加工性に優れて
います。溶接性、耐食性、高温強度にも優れ、600℃での引張強さは炭素鋼の8kgf/m㎡の約3~5倍で、
高温機械部品に最適です。
また、-200℃程度の極低温で、シャルピー衝撃値が室温と変わらず、超電導機器、
液化LPG機械部品として多く使用されています。オーステナイト系ステンレス鋼は非磁性であるため、
一部の電子部品、医療機器、特殊兵器にも使われています。
またSUS304は、18Cr-8Niで、オーステナイト系ステンレスに属するもので、一般建材用に使用されている
代表的な鋼種です。
2相ステンレス鋼の厚板は、金属組織の異方性が著しく大きいため、冷間圧延加工が極めて困難ではあるが、
2相ステンレス鋼の特徴として強度と延性を兼ね備えた理想の材料に近い存在といえる。
耐食性などに優れていることから、刃物などに使用され高強度部機械部品などにも使われています。
成形加工部品一般に使用されているフェライトステンレス鋼は耐応腐食割れ性に優れています。
ステンレスの耐食性を生かした製品として、
・家電品、台所用品(電気洗濯機、冷蔵庫、流し台、魔法瓶、食器など)
・建築、土木(電気温水器、太陽熱温水器、配管、建設屋機材)
・産業機械(原子力発電機器、化学プラント部品、精密機器)
・輸送機器(自動車、鉄道車両、マフラーなどの自動車部品)
などがあります。
ステンレスの強度、硬度を利用した製品として、
・家電品、台所用品(刃物、大具道具、エクステリア、ビール樽)
・建築、土木(水槽、ばね、パルプ、エスカレーター、油井菅など)
・産業機械(大型ポンプ、水車、濾過機、蒸気タービン)
・輸送機器(船舶部品、オートバイ部品、ばね、弁座)
などがあります。
ステンレスの非磁性、低温強度を利用した製品として、
超電導製品、医療機器、IT部品、特殊兵器、極低温部品、ケミカル、LPGタンカーなどがあります。
腐食変色防止の観点からは、ステンレス鋼SUS304は家庭用電気差込プラグにむいていますが、
オーステナイト系ステンレス鋼SUS304は純銅に比べ、電気伝導度が非常に劣り、電気抵抗率も純銅の100倍で、
ステンレス鋼SUS304の表面には高抵抗性の不動態皮膜や酸化膜が存在し部品間の接触抵抗も多くなり、
ジュール熱が発生して非常に危険です。
一般的なプレス加工には次のものがあります。
・絞り成形性
材料が絞り方向に引っ張られ、円周方向に圧縮されるのでランクフォード値(引張力による、幅方向と
厚板方向の厚板減少の比率)が大きいほど加工性に優れます。
・張り出し成形性
板に引張応力のみが働くので、加工硬化により材料の局部変形を防止され均一変形が容易となるので、
加工硬化指数が大きい材料ほど、成形性に優れます。
・曲げ成形性
曲げ中心の外側が引っ張られ、内側が圧縮されるので、曲げ加工内径が小さいほど厳しい加工となります。
伸びやすい材料がこの成形にむいています。
・オーステナイト系ステンレス鋼は加工硬化指数が大きいので張り出し成形や曲げ加工に最適です。
・フェライト系ステンレス鋼は、ランクフォード値が大きいので絞り成形に最適です。
ステンレス鋼製台所流し台は錆びにくいと一般的に言われていますが、まれに腐食変色が見られます。
これらの主な原因は缶詰や包丁、醤油や腐敗した食品からの "もらい錆" と考えられます。
付着物との隙間がなくなり酸素供給量が不足する。
また缶詰や包丁から発生した鉄錆がステンレスに付着し酸素欠乏を助長する。
↓
不動態皮膜(含水クロム酸化物)が不安定になる。
↓
そこへ塩化物イオンや硫黄イオンが付着すると不動態皮膜が破壊される。
↓
腐食した下地を放置すると腐食破損が継続し、最終的に変色する。
最悪の場合、穴損傷に発展する恐れもあります。
現在我が国で広く一般的に用いられているものがステンレス製の鍼です。
昔は銀製の鍼が多く用いられていましたが、次第にこのステンレス製のものに統一されつつあります。
安心して鍼治療を行える強度と、全く錆びない耐久性。そして材料の安さを兼ね備えた理想の鍼といえるでしょう。
実際その強度は大したもので、よほど乱暴に扱っても折れることはありません。
ケアークルーで使用する鍼も全てこのステンレス製のものです。
1.温かい内に台所用中性洗剤とスポンジで洗います。
2.ひどい汚れの時は、粒子の細かいクリームクレンザーで目に沿って、こすり落とします。
3.良く洗い終わったら良く水気を切り、拭き取る事が大切です。
4.ステンレス表面にミラー加工してあるもので、光沢がなくなってしまった時は、やわらかい布に専用の
金属磨き剤をつけて磨くと光沢が戻ります(金属磨き剤はホームセンターなどで販売しています)
ステンレスには鉄以外の金属の含有量によっていろいろな種類があります。
ステンレスの代表選手SUS304は、クロム18%+ニッケル8%+鉄74% という構成になっているのですが、
ニッケルの磁性は弱く、クロムには磁性がないため(鉄は磁性があるので磁石につきます)、磁石につきません。
ここから”ステンレス=磁石につかない”というイメージになっているようです。
※SUS304ステンレス鋼でも条件次第で磁性を生じることがあります。
ステンレスは熱伝導率が低く熱膨張率が高いため、電動工具などで締め付けると摩擦熱によりネジ部が膨張して
雄ねじと雌ねじが密着し、動かなくなることがあります。この状態を「かじり(焼き付き)」といいます。
ねじの摩擦を小さくするためのコーティング剤(主成分:フッ素樹脂)を塗れば、かじり(焼き付き)を防止
することができます。
ステンレス鋼は「耐食性は良いが強度が出せない」という”欠点”がありました。
強度の出せるステンレスもあるのですが(SUS410など)、今度は耐食性が劣ってしまいます。
「パーフェクトステンレス」とはこれらの問題を同時に解決した、高強度・高耐食性のまったく新しい夢の
ステンレス鋼です。
※パーフェクトステンレスは新日本製鐵(株)開発の新鋼種YUS-550です。
抗菌ステンレスと聞くと、「ステンレスに抗菌コーティングを施したものじゃない?」と連想しがちですが、
実はステンレスに銅(Cu)を添加しただけのものなのです。
銅(Cu)は析出(※)によりステンレスの表面から銅イオン(Cu2+)が溶出されて菌の酵素と反応、呼吸を
停止させる作用があります。つまり菌が生きれない場所になるのです。
抗菌コーティングとは違い、抗菌効果が半永久的に持続し菌の増殖を抑えヌメリ汚れを低減できる画期的な素材です。
HACCP対応品の素材として注目されています。
※析出:液体の中から固体が分かれて生成してくること。
ステンレス鋼(stainless steel)は、耐食性を向上させるためにクロムを含有させた合金鋼。
鉄に約10.5パーセント以上のクロムを含有させた合金をいい、しばしばニッケルをも含有する(JIS G 0203
「鉄鋼用語」の定義による)。一般にはステンレス-スチール、または単にステンレスともいう。
ステンレス(stainless)は「不錆」の意。
ステンレス鋼定義の詳細(概要・分類等)