銅(どう)は、赤褐色の光沢を放つ金属の一種です。
金属では銀の次に導電性が高く 高い電気伝導度と熱伝導度と相まって、電気・電子部品として、
ばね・コネクタや半導体リードフレーム材料として多く使用されています。
高い電気伝導度と熱伝導性は最大の長所で、その上美麗な色調を有し、耐食性にも優れています。
はんだ付け性などの接合性にも優れ、高い信頼性が保証できます。
○電気伝導性が大きい
○熱伝導性が良い
○耐食性に優れ、美麗な色調を示す
○切断加工性が良い合金がある
○メッキ及びはんだ付けが容易である
○磁性がない
銅は黄銅鉱CuFeS2として産出されます。これに石灰石やけい砂を混ぜて加熱し、
電気精錬によって銅をつくります。
純銅だけではなく、青銅(銅とスズ)、真鍮(銅と亜鉛)などの合金としてもよく使われています。
銅は塑性加工性も良く延性、展性に富んでいます。
圧延・伸線・絞り・曲げなどの加工が極めて容易で、伸銅品の名称の根源にもなっています。
銅は、金属製品や貨幣の材料として多くの文化で使用され、鉄に次いで重要な金属材料といえます。
銅の主要な用途として電線 (60 %)、屋根ふき材および配管 (20 %)、産業機械 (15 %)が挙げられます。
銅の大部分は金属銅として利用されてますが、銅供給量のうちの少量は、
栄養補助食品や農業における殺菌剤のための銅化合物の生産に用いられてます。
黄銅は、銅と亜鉛の合金で、特に亜鉛が20%以上のものをいう。別名、真鍮(しんちゅう)と呼ばれてます。
銅と亜鉛の割合によって、亜鉛が5~20%未満、赤みが強いものは丹銅(たんどう)。
亜鉛が30%で七三黄銅、亜鉛が40%で六四黄銅となります。
亜鉛の割合が多くなるにつれて色が薄くなり、少なくなるにつれて赤みを帯びます。
一般に亜鉛の割合が増すごとに硬度を増すが、同時に脆さも増すため、45%以上では実用に耐えません。
その他にも、被削性を高めるために鉛Pb を添加した快削黄銅や、錫(すず)を
添加し耐海水性を高めたネーバル黄銅などがあります。
現在、五円硬貨の素材にも使われ、金に似た美しい黄色の光沢を放つことから金の代用品にもされています。
仏具、金管楽器にも多用され、他に、精密機械や理化学器械類にも使用されています。
また、個人の趣味での模型・工芸・アクセサリー、ネームプレートの素材等幅広くご利用いただいてます。
丹銅(たんどう)は、銅と亜鉛の合金で、同じく銅と亜鉛からなる黄銅よりも亜鉛が少ない。
赤っぽい色から丹銅と呼ばれ、レッドブラス、ゴールドブラスとも言います。
展延性・絞り加工性・耐蝕性に優れているので、建材・装身具・金管楽器などに用いられてます。
りん青銅とは、銅にすずと少量のりんを加えた合金ですずの多少により、1種~3種まであり、
機械的な強さが大きく耐食性大、磁性なく、スイッチ、コネクター軸受等に使用されます。
深絞り性良、展延性・耐疲労性・耐食性が良い。特に高性能のばね性を要求するものは、
ばね用りん青銅を用いることが望ましい。
銅に0.5~3%のベリリウムを加えた合金であり、さらに別の金属が加えられることもあります。
ベリリウム銅は高い強度を持ち、また非磁性であり火花が出ない特性を持っています。
さらに、金属加工、成形、機械加工に向いた特性も持っており、危険な環境下での工具、
楽器、精密測定機器、弾丸、宇宙開発用の材料など、各種の応用に用いられてます。
ベリリウムを含む材料には毒性があり、加工中に吸入すると肺に深刻な影響の出る危険性があります。
銅を50~70%、ニッケルを5~30%、亜鉛を10~30%配合した銀白色の合金で、
柔軟性、屈曲加工性、及び耐食性に富み、装身具や電気抵抗線、バネ材料、楽器(主にフルート)の材料として
用いられる。
また、硬貨の材料として用いられる場合もある(洋銀貨)。
引張り強さなどの機械的性質においては黄銅より優れています。