株式会社 岩崎商店
大阪市中央区東平2丁目1番18
TEL (06) 6761-5195
FAX (06) 6762-2078

岩崎商店トップページ非鉄金属材料>ステンレス材料の種類>伸銅品とは

銅の特徴

伸銅品とは

銅の物理的・機械的性質を表-1に示した。表中の数値に範囲があるのは、塑性加工および熱処理による変化である。銅は他の元素にはない優れた特性を持っている。高い電気伝導度と熱伝導性は最大の長所で、その上美麗な色調を有し、耐食性にも優れている。はんだ付け性などの接合性にも優れ、高い信頼性が保証できる。これらの特性を利用した用途が、表-2に示すように拓かれている。

表 - 1
性   質 数  値
比   重 8.89〜8.96g/p3
融   点 1357.6 K (1084.4 ℃)
電気伝導度 35〜58m/(Ωo2)
熱 伝 導 度 240〜386W/(mK)
引 張 強 さ 200〜360N/o2
耐   力 100〜250N/o2
比   熱 0.38〜0.45J/(gK)
電気比抵抗 30〜17x10-3μΩm
表 - 2
銅の特性 用 途 合 金
電気伝導度が
大きい
電気用材料・耐熱・高電気伝導性・高温度 低濃度耐熱合金・アルミナ分散強化銅・時効硬化性合金
熱伝導性が良い
(接合性が良い)
ラジエーター用太陽熱利用(ヒートパイプ)・住宅用・建築用 低濃度耐熱合金・純銅薄肉ストリップおよび管
耐食性が優れている
(美麗な色調)
熱交換器用管用・化学プロセス装置用・海洋開発用・建築用 耐食性合金
熱弾性
マルテンサイト
形状記憶(温度変化の機械力への変換など)騒音防止 形状記憶合金

電気伝導性が大きい

CuはAgに次いで電気伝導度が大きい。したがって銅は金属材料の電気伝導度の基準になっている。1913年頃の市販純銅の電気伝導度の平均値を100%とする導電率(%IACS、Internatinnal Annealed Copper Standard、国際軟銅標準)が世界各国で標準として利用されている。 導電率は固溶する不純物によって低下するが、精製方法の進歩により純度が向上し、現在最高純度の銅は103%もの導電率を示す。高純度Alの伝導率は61%程度である。 完全な結晶格子の乱れは伝導電子を散乱させて電気抵抗の原因となる。

熱伝導性が良い

室温における金属では、電気伝導性のよいものは、常に熱伝導性も良い。熱は自由電子とフォノン(格子振動)によって運ばれるが、金属では熱の移動は自由電子によって起こるからで、銅の熱伝導性の良いのはこのためである。一方固溶度の高い大多数の合金においては、熱伝導度は低くなる。これは固溶状態にある原子が、電子とフォノンの双方を散乱し、平均自由行程を減少するためである。オーステナイト・ステンレス鋼の熱伝導度が極めて低いのはこのてめである。C2600(70/30)黄銅の熱伝導度は純銅の1/4程度になるが、それでも普通鋼の2倍程度の熱伝導度を示し、銅及び銅合金の熱伝導度は大きい。

耐食性に優れ、美麗な色調を示す

銅および銅合金は、大気や天然水としての淡水および海水に対する耐食性は優れている。したがって実用上耐食材料として位置付けられている。また、銅は淡赤桃色、黄銅は黄金色の美麗な色調を示すので、建築材料や種々の器物に使われる。銅および銅合金の耐食性は表面に形成される皮膜に大きく依存している。したがって流動条件下で皮膜が剥離されたる、形成されなくなると耐食性は急速に低下する。この現象はエロージョン・コロージョン(erosinn corrosion)または潰食(im-pingement corrosion)とも呼ばれ、冷却管や給水配管などにみられる。銅合金の中には、引張応力と腐食環境は同時に作用すると、それらは別々に作用すれば決して起こらない脆性破壊を生じる、いわゆる応力腐食割れ(stress-corrosion cracking)を起こすことがある。これらの対策は明らかになっているので、注意すれば割れを生じることはない。

切断加工性が良い合金がある

特にPb入黄銅は被切削性が良く、切削仕上面および打ち抜きが美麗に仕上がり、工具寿命も長い、精密計器や時計などの部品などに多く使われている。最近Pbが問題になってきているので、Pb快削黄銅の代替合金の研究も活発になっている。

メッキ及びはんだ付けが容易である

銅および銅合金はAu,Ag,Crなどのメッキが容易で、バフ研磨でより光沢のある良好な表面が得られ、種々の日用品に使用される。また、はんだ付けが容易なため、電気部品などに有用である。

磁性がない

伸銅品は非磁性であることが大きな特徴であり、電気計器の部品として多く用いられる。

銅版の変色とその過程

銅は大気中での耐食性に優れており、また軽量で柔らかく細工がし易く丈夫なので、屋根用の材料として好んで用いられる。銅が屋根材として好まれるもう一つの特長は銅の持つ自然な経年変化である。建築板金に使用される銅板は長い年月を経ると酸化され、美しい緑青(ろくしょう)を生じる。銅は最初は赤橙色の光沢を持っているが、いったん大気に曝されると表面に亜酸化銅や酸化銅が生成して薄い褐色に酸化し、次第に暗褐色になりそも後歳月を経て緑青の生成が始まる。緑青は各地の環境により塩基性硫酸銅や塩基性塩化銅などの化合物が複合生成されてできる水に溶けにくい緻密な保護膜である。 次に銅板の色調変化の過程を示す。

銅版の色調変化の過程

色調の経年変化

施工した直後は雨が降るごとに+ a(赤味)と+b(黄味)の値は大きく変動する。当然ながら、雨がよく掛かるところと余り掛からないところでは色調は異なる。しかし、3〜6ヶ月後から色調の変化が少なくなり安定してくる。またこの色調は銅屋根を葺いた自然環境にも左右され、すべての銅板が必ずしも同じ変色経過をたどるわけではない。一年を通じて最も変化するのは4月から9月で、比較的高温多湿の気象条件が色の変化を早める。したがって、寒冷乾燥地では緑青の生成が遅いという傾向がある。山間部や海岸では比較的きれいな緑青が生成する。工業地帯では比較的早く緑青が生成する。しかし大都市周辺では自動車の排気ガス中のカーボンの影響から、銅板の表面が汚れ、緑青が生成しにくいことがある。 伸銅メーカーは流通段階における銅板の変色を防ぐために、一時的変色防止対策を託し施し出荷している。一般的にはベンゾトリアゾール系の変色防止剤を薄く使っている。この変色防止対策は文字通り短期間の変色防止効果しかないので、屋根に葺いてまもなく溶け去り銅の素地が露出し通常の変色が始まる。

銅及び銅合金の大気腐食の傾向

銅は大気中に曝されるとまず亜酸化銅(Cu2O)の皮膜が形成され、時間の経過に伴って環境中の亜硫酸ガスや海塩粒子等と降雨とが反応して次第に厚い塩基性銅塩主体の腐食皮膜を生成する。この塩基性銅塩の生成によってそれ以降の銅の腐食は極めて緩やかな全面均一腐食を呈するようになり保護性を有するようになる。孔食などの局部腐食傾向は小さい。 銅と銅合金の大気中での腐食速度は世界各地で大気ばく露試験が数多く実施され測定されてきた。とくに大気汚染との関係をつかむために、亜硫酸ガスの影響を受けている工業地帯、清浄な大気の田園地帯、海塩粒子の影響を受ける海岸地帯との比較試験が行われている例が多い。